【 321 】トラブルの検証。

 

 

 

 

マスキングのトラブルの検証をしてみました・・・・・

 

・・・・・製作の最終盤でルーフがブツブツになってしまったストラトス。ボツにした可哀想なボディを有効利用して、原因を探ってみます。

 

 

 

今回、窓枠塗装のマスキングに使ったのは、最近使い始めたマスキングテープ。夜マスキングしといて、翌日の午前10時頃に缶スプレーで

 

マットブラックを吹きました。約12時間テープを貼りっぱなしだったコトになります。塗装後は約30分でマスキングを取りました。

 

 

 

検証①:テープを長時間貼りっぱなしだったコトが問題だったのか?

 

じっくり模型時間が取れる時は、マスキングから塗装までを連続してやるようにしてますが、まとまった時間が取りにくい時は、これまでも

 

同じようなやり方をしてます。でも、今回のようなトラブルは経験していません。じゃあ、新テープに問題があるんでしょうか?

 

(この記事内では、メーカー名は書かずに「新テープ」と呼ぶコトにします。この商品への悪評をするつもりではありませんが、悪口に見えてしまうといけないので。)

 

 

まずは、ルーフに新テープを貼って、24時間放置してみました。

 

テープを触りまくって手指脂をたっぷりつけた・そのまま・机に一回貼り付けた・ボディにモデリングワックスを掛けた上から、の4パターン。


そうそう、こんな感じになったんです。4パターンすべて表面が荒れてますが、手指脂たっぷりの所が特にひどいですね。

 

 

じゃあ、タミヤのテープなら大丈夫なのか? 同じく24時間貼ってみました。左がタミヤ、右が新テープです。

どちらのテープも結果は同じで、やはり荒れました。

 

どちらも糊面には一切触らずに貼ってます。

 

というワケで、少なくともルーフの荒れは、テープを

 

長時間貼りっぱなしにしたコトが原因のようです。

 

それは新テープでもタミヤのでも同じ。


 

 

ルーフ以外の場所ではどうでしょうか? 同じく両方のテープを貼ってみましょう。左:新テープ、右:タミヤ。


24時間後に剥がしてみると・・・結果は、全くのノートラブル。ピカピカのままです。

 

というワケで、

 

検証①の結論としては、新テープの糊成分によるトラブルではなく、ルーフの塗膜の問題だったようです。

 

 

ホコリのスパイラルでもがいて、黄色とクリアを何回も吹き重ねたので、普段以上に乾燥が遅かったのかも? 

 

今日、ブルーベルさんとお話したんですが、「黄色とクリアが何層にもサンドイッチになってるので、下に閉じこめられてる層の乾き方が

 

イレギュラーな状態になってるかも」というご意見。それに加えて、9月末完成を目指して乾燥時間が最短だったのもアカンかったんでしょう。

 

また、テープの糊面を、やたらと手で触った自覚もあります。それも影響あるかな?

 

 

 

 

検証②:新テープはラッカー塗料の遮蔽が弱いのか?

 

これはメーカーから、「上掛けした塗料の溶剤が浸透して下の塗料を軟化させた結果、糊痕がつく可能性があります」との回答だそうです。

 

これもタミヤと比べてみましょう。実験は両方のテープを貼った上から、マットブラック&クリアを缶スプレーでしっかり吹いてやり、

 

「3分程度で即剥がす」・「約4時間放置してから剥がす」というモノ。テープを貼っただけでは問題なかったボディ側面でやってみました。

 

まずマットブラック。実際の製作で使ったタミヤの缶スプレーです。

 

 

「新テープ4時間」は他の3か所に比べて

 

はっきり塗面が荒れました。

 

(蛍光灯の輪郭がブレてますね)

 

 


 

反対側でクリアを実験。「染み上がり」にしても、「パテ埋め部分のヒケ」にしても、クリアはトラブル発生の元になることが多いですよね。

 

愛用のクレオスの「Mr.スーパークリア」はその中でもトラブルの少ない良い塗料だと思ってますが。

「新テープ4時間」は荒れが大きい。

 

写真では写し切れませんが、完全無傷は

 

「タミヤ即」だけ。

 

「新テープ即」も「タミヤ4時間」も少し

 

荒れました。やはり、マットブラックより

 

クリアの方が荒れが大きい傾向です。


 

 

というワケで、得られた成果は、

 

*テープに手の脂をつけちゃダメ。接着力を落とすには、よく言われるジーパンにペタリがいいんでしょうね。

 

*マスキング前にしっかり乾燥させる。特に何層も塗り重ねた部分は要注意。私は缶スプレー派なので余計にそうですね。

 

*塗装後は速やかにテープを取るべし。早く早く!!

 

 

ちなみに、新テープは曲面追従性に優れていて、デザインナイフでのカッティングもとてもやりやすいんですよ。

 

その長所はテープの薄さとトレードオフで得られるモノですから、当然浸透はしやすくなるワケですな。

 

私は「缶スプレーどばっ」なので、ちょっと特殊な条件。エアブラシなら問題ないのかもしれません。ブルーベルさんは今までノントラブル

 

だそうです。

 

 

 

さて、やり直しの新ボディは黄色くなりました。綺麗に塗れてます、今の所 (^^;) 

 

9月末にできてたハズのストラトス、遅れついでにあわてず丁寧に進めようと思います。。。

 

 

 

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コメント: 9
  • #1

    120sec (金曜日, 19 10月 2018 16:57)

    転倒虫さん、こんにちは!
    いやあ、検証ためになります。
    手指の脂がついたところがひどくなる、というのは知りませんでした!!
    マスキングをするときはきれいに拭き取ってからやらないといけないんですね。
    マスキングテープを速やかにはがすべし、は改めて気をつけなければならないポイントなんだな、と再認識しました。
    ところで、現象はわかったとして、これは塗装面に一体何が起こっているのでしょうか?
    クリアー塗装がマスキングテープの糊と化学反応を起こして侵されているのか?それとも乾燥が不十分でマスキングテープの跡がプリンティングされたのか?
    それともマスキングテープの糊そのものがこびり付いたのか?
    たとえばマスキングゾルならこんな現象は起こらないのか?
    いろいろ疑問がわいてきます。

  • #2

    模型転倒虫 (金曜日, 19 10月 2018 19:57)


    120sec さん、こんばんは。

    記事内の説明が言葉足らずでしたねぇ。

    結局、今回のトラブルは、ルーフの塗料の乾燥不足だと思います。普通ボディの塗装は、サフ → ボディカラー → クリア、が基本ですよね。
    ところが、今回のストラトスのルーフには、ホコリのリカバリーのために、黄色とクリアを何層にもサンドイッチ状に吹きました。
    普通の塗装工程では起こらない、「乾きにくいクリア層の上に黄色が乗ってる」状態になってしまったワケです。

    この塗料の重なり方はとてもイレギュラーですよね。で、下の方に閉じこめられてるクリアが乾いていない内にマスキングテープを貼ったため、
    揮発し続けてた溶剤がテープでせき止められて、塗膜表面に留まり軟化させてしまった、という理屈だと思います。

    今回のようなイレギュラーな「乾きにくい」塗装の層であっても、ず~~~っと放っておけばいつかは乾くんでしょうが、それには5日や10日では全然不足だったというワケです。

    今回の現象は、塗膜の一番表層で溶剤の揮発がせき止められて、その溶剤が表面を溶かした・軟化させた、ということですから、テープだろうがゾルだろうが、表面は荒れてたでしょうね。ひとつ賢くなりました (T_T)

  • #3

    七力夕二 (金曜日, 19 10月 2018 20:02)

    マスキングの実験、すごく興味深くて面白いです。私も(細かくは忘れちゃいましたが)長く放置したマスキングで塗膜が荒れるということがありました。今思い返せばですが。その時は『長時間』×『マスキングテープ』というのが原因だとは絞り込めなくて、塗装のやり方が悪かったのだと考えていました。
    この実験、とても参考になります。転んでもただでは起きない、のお手本ですね!

  • #4

    七力夕二 (金曜日, 19 10月 2018 20:07)

    すいません、コメントが入れ違ってしまってしまいました。
    ということは、『乾燥不足』×『マスキング』×『長時間』が重なったということでしょうか。
    うーん、なーるほど。

  • #5

    120sec (金曜日, 19 10月 2018 20:33)

    なるほど、やはり諸悪の根源は乾燥不足につきるんですね・・・
    クリアーの吹く濃度、回数などによっても変わってくるので自分のやり方で被害が最小限となるタイミングを見つけ出すしかないのでしょうね。

  • #6

    模型転倒虫 (土曜日, 20 10月 2018 01:09)


    七力夕二 さん、こんばんは。

    そうですねぇ、乾燥不足×長時間マスキング、なんですが、それにプラスして塗装の変則積層が今回は大きかったと思います。
    通常の塗装手順なら、自分なりに「十分な乾燥期間」が分かってるつもりなんですが、クリアとカラーを交互に吹き重ねるなんていう、変なことをしたので、異常な乾きの遅さに出くわしてしまった、という感じです。

    「転んでもただでは起きない」って言っていただくと、ちょっとかっこいいですが、最近転び過ぎです (^^;)
    やり直し中のボディでは転ばないように、そろそろと歩を進めます。。。

  • #7

    模型転倒虫 (土曜日, 20 10月 2018 01:24)


    120sec さん。

    そうですね、、イヤっていう程とことん放置して溶剤を飛ばし切っちゃえば、塗面は安定状態になりますよね。
    でもそんなことしてたら、1台できるのがいつになるやら、なワケで、その時間の見極めが重要なんでしょうねぇ。

    「自分の普段の塗装手順」における乾燥時間は自分なりに把握しておいて、気候や塗装の案配を加味した乾燥時間を確保するっていうのが
    大事なんでしょうね。

    今回の私の失敗は、普段と違う塗装の仕方をしたのに、いつもの時間で大丈夫だと見誤ってしまったコト。いい勉強になりましたわ。。。

  • #8

    内田 日光 (土曜日, 20 10月 2018 12:37)

    こんにちは^ ^
    なるほど、テープだけではなく塗装の工程の可能性もあるんですね。
    一歩間違うと迷宮入りしてしまいますね(−_−;)

    私も現在失敗ばかりでまったく完成が見えません。
    下手したら買い換えた方が良くない?レベルまでやらかした感あります笑

  • #9

    模型転倒虫 (土曜日, 20 10月 2018 13:51)


    内田 日光 さん、こんにちは。

    処女作、茨の道のようですねぇ。「買い換えた方がよくない?」の誘惑に負けずに、がんばって完成させてくださいね。
    ボディをオシャカにしてるお前が言うな! って言われそうですが (^^;)